人気がなく不気味に静まり返った空間で2人の男と1人の女が何やら話し合っている。
「くそっ、あの時はボコボコにやられちまったなあ。」
一人の青年が言う。

「でもあの時本気出してなかったからやられたんじゃないの。」
一人の女性が言った。

「まさかあんなに強いなんて思いもしないだろ?しかも小学生ぐらいのガキにコテンパンにされるたぁ俺達幹部の恥じゃねえか。」
「俺達って私もなの?勝手に私まで弱体化しないでよね!」
「何だと!!」
二人は言い争いを始めた。

「シャークもタイガーも少し落ち着けよ。俺達仲間じゃねえか!」
割って入ったのは大男のベア。そう、三人は秘密結社ポイズンの幹部だったのだ。

あの時は初めてだったし、まだ不慣れだったんだから仕方のないことだ。」
ベアの説得に納得する二人。

「よーし、じゃ俺一人でパラレルヒーローズをボロボロに・・・」
と言いかけたところで・・・

「テメーは何考えてんだ!!」
「私達を差し置くなんてずるいわよ!!」
ベアは調子に乗ってフルボッコにされた。

するとそこへ一人の男が現れた。
「相変わらず仲のいい三人だな。」
突然現れた男にベアが反応した。
「ポイズン・デッド様。」
男の名はポイズン・デッド。ポイズンの親分だ。
「そんなに出撃したいなら組織ぐるみで総攻撃を仕掛けますか。」
「はい喜んで。あの憎きパラレルヒーローズを倒しましょう。」
「やるからには全力で行くからな。」

こうして幹部達は街に出撃した。

一方その頃雷慈達はいつもと変わらぬ日常を送っていた。部活動を勤しんだり・・・

「真司、パス!」
和也は真司にをパスを回す。
「雷慈、一気にゴール決めろ!」
真司は雷慈にパスを回す。

そして雷慈のシュートは見事にゴールに入った。※雷慈達はサッカー部に所属しています。

「やるじゃねえか雷慈!」
チームメイト達は雷慈を賞賛した。

そして休日はごろ寝したりレジャーを楽しんだりと様々だ。

ある日、雷慈はエレナ&マリナと喫茶店で話していた。
「そんでよー、アイツ隠し持ってたエロ本見つかって色々ヤバかだったらしいぜ。」
「それは大変だったのね。」
「あたしの友達もバレて恥かいて・・・」

しばらくして三人は店を出た。
「次どこ行く?」
「それじゃあ・・・」
と言いかけた時だった・・・

一方、和也と真司は公園のベンチに座っていた。
「何か暇でしゃーないなあ。」
和也がぼやくと真司はこう言った。

「そんじゃゲーセンでも行くか。」
「そうすっか。」
二人は公園を出た・・・その時だった。

ドドーン!!

凄まじい衝撃と共に辺りが煙に包まれる。
「何が起きたんだ?」
慌てふためく二人、すると直後に二人の男と一人の女が現れた。

「お前らは誰だ?」
二人が口を開くと三人は喋りだした。

「俺はシャークだ。」
「私はタイガーよ。」
「俺はベアだ。」

三人は名乗ると揃って喋りだした。
「テメェらはパラレルヒーローズとやらを知らねえか?」
三人の気迫に怯える二人。
「俺達は何も知らねぇーっ!!」
二人はその場から逃げ出そうとした。しかし
「待てゴルァ!!」
ベアが二人を捕らえる。

その頃雷慈達はさっきの衝撃でただならぬ気配を感じていた。
「何か危ない気配を感じるわね。」
「変身したほうが良さそうだな。俺とマリナもスマホを改造してもらったから同時に変身出来るようになったんだし。」
雷慈がそう言うと三人は変身した。

一方、二人を捕らえたベアは睨みを効かせていた。
「本当は何か知ってんだろ?知ってるなら隠さねえでさっさと教えろ。さもないと纏めて殺すぞ!」
「本当に知らないんだって。」
ベアの迫力に怯えながら否定する二人だが、

「口で言っても分からん奴にはくたばってもらう意外にないな!!」
ベアが二人に拳をぶつけようとしたその時だった。

「その手を離しなさい!」
少女の声に続いて横から三人がベアに飛び蹴りをかます。
ベアは三人のキックを喰らってその場に倒れた。

「テメェらはあの時の・・・」
二人を救ったのはパラレルヒーローズだった。

「怪我はない?」
ピンクは二人に優しく声をかける。

「もしかしてあの時の?」
パラレルヒーローズとの再会に喜ぶ二人。すると二人はイエローが気になった。
「あの子は?」
二人の声にイエローが反応する。
「あたしはパラレルイエローって言うの。あたし達三人で街の平和を守ってるの。」
「俺和也って言うんだ。」
「俺は真司。よろしくね。」
一同は和気藹々した。

「オイテメェら俺達は放ったらかしか!?」
傍観していたベアが声を張り上げた。

「君達は危ないから逃げるんだ。」
ホワイトは二人に逃げるよう促す。

「ハイ、分かった。」
二人はホワイトに促される形でその場から逃げ、パラレルヒーローズはポイズンの三幹部と相対した。

「よくもまた邪魔をしてくれたな!」
パラレルヒーローズに攻撃を受けたベアは怒り心頭だ。
「もういい。こうなったら三人纏めて皆殺しだ。殺れ!」
ベアはそう言うとシャーク・タイガーに攻撃を指示した。

三人は幹部達の攻撃を避けると負けじとパンチやキックを浴びせる。

そして三人の猛攻の末に幹部達はその場に倒れた。
「やったか?」
ホワイトは安堵を浮かべる。しかし
「まだみたいよ。」
ピンクとイエローが言った。

「なーんてな!わざと倒れたフリしたんだよ!!」
ベア達は起き上がるとパラレルヒーローズの後頭部を攻撃した。
攻撃をモロに受けたパラレルヒーローズはその場に倒れた。

「あれ?もう終わり?かったりぃなぁ。」
「こんなんでパラレルヒーローズを名乗るなんてまるでゴミね。」
シャークとタイガーは高笑いする。

「終わり?バカ言うなよ。」
「そうよ。こんなんで倒れてたら正義のヒーローなんて務まらないわ。」
三人は必死に幹部達にしがみつく。

「俺達は誓ったんだ。」
「(私)(あたし)達は秘密結社ポイズンを潰すってね。」
「絶対に・・・負けないんだからぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーっ!!!!!」
三人は啖呵を切ると再び立ち上がった。

「はああああああああっ!!!」
強烈な連続パンチを繰り出す三人、幹部達も負けじと反撃をする。

「まだまだぁ!!」
ベアは叫びながらショルダータックルを三人に仕掛ける。
一度は倒れたが、すぐに反撃に出る。

ホワイトは連続パンチで、ピンクとイエローは飛び蹴りで応戦する。すると幹部達は疲労が出てきたのか徐々に圧されていった。

「一気に決着つけるわよ!」
ピンクがそう言うと三人は手を光らせる。
「パラレルッ、アルティメットエクスプロージョン!!!」
「ぐわあああああああああ!!!!!!!」

三人の攻撃を受けた幹部達はその場に倒れた。

「やった!ついに倒したぞ!!」
幹部達を倒すことに成功したホワイトは大喜びだ。

「でもまた倒れたふりして起き上がってこないかしら?」
ピンクはフリでないか不安だった。
「でも起き上がってこないから今度は本当に倒れたみたいよ。」
イエローが言った。
「そうね。」
ピンクは安堵を浮かべた。

「でもこれからどうするんだ?ポイズンの基地もどこなのか分からないし。」
ホワイトは困惑する。
「そうね。基地の場所知らないから手のうちようがないわ。」
ピンクとイエローも困惑した。すると

「何あれ?」
イエローが何かに気付く。
「本当だ。何か降りて来るぞ。」
三人の目の前にある広場に巨大な飛行船が降りてきたのだ。しかも飛行船にはポイズンの文字と髑髏マークが描かれている。
「きっとポイズンの基地だわ。」
三人は基地に乗り込む。すると

「基地には行かせねえ。」
幹部達はそう言いながら再び立ち上がり、追ってきた。復活した幹部達に三人は驚くしかなかった。

「しかも手が黒い光に染まってるぞ。」
「うそでしょ・・・」
幹部達はさっきよりパワーアップしていた。そして幹部達はこう言った。
「てめえら全員地獄に叩き落としてやる!!」

倒された幹部達がパワーアップしていることに三人は驚きを隠せなかった。

「ニッ・・・」
幹部達は三人に攻撃を仕掛ける。
三人は攻撃を食い止め、反撃しようとするが全く歯が立たない。

「さっきとはまるで別人のようね。」
「これじゃ手も足も出ないぜ。」
一気に圧される三人。しかしそれでもなんとか持ちこたえようとする。

「パラレルッ、アルティメットエクスプロージョン!!!」
必殺技を使うが・・・

「無駄だ。」
何と幹部達は全くと言っていいほどダメージを受けていなかったのだ。そして

「これでとどめだぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!」
幹部達は手から黒い光線を発射する。

「うわああああああああああああっ!!!!!!!!!!」
「キャアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!!!!!」
三人は幹部達の攻撃を喰らって流血し、その場に倒れた。

「所詮お前らの実力じゃ俺達は倒せん。」
シャークは言う。

「でも一人ひとりの力は小さくてもみんなで力を合わせれば信じられねえぐらいに強くなれるものだ。」
ホワイトがシャークに反論する。

するとベアがあることを提案した。
「てめえらにチャンスをやろう。」
ベアの言葉に三人は驚いた。

「敵前逃亡して街が崩壊してくのを見るか俺達に倒されるかどっちにするんだ?」
ベアの選択肢に驚く三人。
「街が崩壊って一体どうするつもりなのよ!」
ピンクは怒りを見せる。

「ポイズン・デッド様が特殊な催眠術発生装置で暴徒化させて地上にいる人間共に殺し合いさせてんだよ。ここを見てみろ。」
ベアが壁に指を指すとそこには暴徒化して殺し合いに興じる地上の人々が映し出された。もちろん家族や学校の面々も例外ではなかった。
「てめえら許さねえぞーーーーーーーっ!!!!!!!!」
「よくも私達の街を・・・もう・・・堪忍袋の緒が切れたんだからーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!!!!!!!」
三人は怒りに震え、再び反撃に出た。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!!!!!!」

ドドドドドドドバババババッ!!!!!!

「わああああああああああああっ!!!!!!!!!」
三人の怒りの猛攻は幹部達を圧倒する。敵味方共にそれぞれ血に染まっていた。

「ポイズン・デッドとやらはどこだ!?どこにいる!?」
ホワイトは幹部達に問いかける。するとシャークが答えた。
「ポイズン・デッド様?残念だったな。ポイズン・デッド様はここにはいないぜ。」
シャークに続いてタイガーが言う。
「それにここは基地じゃなくてダミーよ。そんなのに引っかかるなんてバカよねえ。」
更にベアも続ける。
「それにこの飛行船は自動操縦だ。残念ながら基地には向かわねえさ。せいぜい街が崩壊してくさまを空から眺めてるといい。」
幹部達の言葉に言葉を失う三人。

「おや?さっきの威勢はどこいったのかしら。」
タイガーが挑発を仕掛ける。するとピンクが何かを思いついたらしく二人にひそひそと話した。
「一か八かだ。」
「やってみなきゃ分からないもんね。」
二人は納得すると再び戦闘態勢を構え、ピンクはどこかに向かった。

「仲間が一人逃げちゃったわよ。一人だけ逃げるなんてなんという無責任だこと。」
タイガーは更に挑発を仕掛ける。

「違う!逃げたんじゃない。」
「そうよ!これは作戦よ!」
二人は反論した。

「もういい。殺れ!」
ベアの指示で幹部達と二人の戦闘が再び始まった。

一方その頃ピンクは操縦席に向かっていた。
(自動操縦を解除すれば基地に行ける。)
そして遂に操縦席にたどり着いた。

ピンクは自動操縦の解除に成功すると巧みに操作盤を操り、本拠地に向かう。
一方幹部達を食い止めてる二人はひたすら猛攻を交わしながら戦っていた。
(絶対に負けるわけにはいかない!)

幹部達は手から破壊光線を連射するが、二人は見事にそれを交わす。そして
「これでシメェーだああああああっ!!!!!」
ホワイトはそう言うとイエローと共に手を光らせる。
「パラレルッ、アルティメットエクスプロージョンダブル!!!」
二人の合体技を受けた幹部達はその場に倒れた。

「てめえら・・・これ以上は」
「もういい加減諦めろ!」
ベアが喋りかけた所でホワイトが遮った。
「そうよ!この飛行船は本拠地に向かってるんだから!」
イエローも続けた。イエローの言葉に幹部達は唖然とした。

そして飛行船はとある場所に着陸すると三人は飛行船を降りた。

飛行船を降りて周りを見渡すとそこは平屋の建物の中庭だった。

建物の中を見渡したが、何もない。すると地下に通じる階段とエレベーターを発見する。

「どうやらここみたいね。」
三人は地下へ通じる階段を下りていった。

その頃飛行船では幹部達が再び立ち上がり、周りを見渡すが、三人は既におらず飛行船が着陸していることに気づいた。
「あいつらはどこ行ったんだ?」
「まさか逃げられたの?」
シャークとタイガーは唖然とする。

「どうやらそうみたいだな。」
ベアは言う。
「とにかく降りてみるぞ。」
ベアに促され、幹部達は飛行船を降りた。
すると幹部達は着陸場所を見て唖然とした。

「ここってアジトじゃないの!」
「なんて事だ。嗅ぎつけられたというのか!」
シャークとタイガーは愕然とする。

しかもプロペラの近くなので風が強くタイガーのドレスのスリットが風になびいていた。
「キャアアアアッ!!」
タイガーは慌てて舞うスリットを押さえようとする。するとそれを見たシャークは・・・

「クマさんパンツ履いてるなんて結構かわいいトコあんじゃねえか。」
シャークはからかう。

シャークにからかわれたタイガーは顔を赤くする。
「見るなバカタレ!!」

バシーン

シャークはタイガーのビンタを喰らった。

「というかアイドリングストップしてないでしょ。」
「そうだ、エンジン止めないと大気汚染につながるぞ。」
二人に言われたベアはエンジンを止めようと飛行船に戻った。

ベアが飛行船から戻ると幹部達の元に連絡が入る。声の主はポイズン・デッドだ。
「今パラレルヒーローズが俺の元に向かっている。お前らは裏から回れ。」
幹部達はパラレルヒーローズとは逆方向の通路を進む。
するとそこには階段があり、階段を降りると大部屋に出た。
(パラレルヒーローズめ、覚えてろ!)
幹部達はそう思った。

一方三人は階段を下るとその先には長い通路が続いており、三人は先へ進む。
しばらく進むと目の前が扉で閉ざされている。

三人は扉を開けようとするが、全くびくともしない。
するとイエローが何かに気付いた。
「[合言葉を言え]って書いてあるわ。」

扉の右横には[合言葉を言え]と書かれている。更にその下にはヒントが書かれており・・・
「ヒントは[特別快速の英語表記]だって」
「英語でなんて言ったっけ?」
一同は困惑する。

「あっ!」
ピンクは何かを思い出したようで
「思い出した。確か[スペシャル・ラピッド・サービス]だったはずよ。」

すると合言葉に反応して扉が開き、三人は早速中へ入った。

中は広々とした空間が広がっていた。しかし中には誰もいない。
「あれ?何もないじゃん。」
諦めかけたその時だった。

「今度こそ倒しに来たぞ!」
三人の目の前にまたしても三幹部が現れた。
「またお前達か!」
「もういい加減にしなさい!」

「いいや、ここで倒されてもらうよ。」
一同は一気に戦闘モードに入る。すると・・・

「もういい。お前らは下がってろ。」
そこに紫色の逆だった髪と青マント姿で腰に剣を装備した青年が幹部達を止める。すると幹部達は突然現れた青年に従い、引き下がった。

「ポイズン・デッド様、何故止めるのですか?」
ベアが抗議する。

「いいか、お前らはもう二回も倒されてるんだぞ。これ以上負け続けたら我が組織は潰れてしまう。だから今度はこの俺があいつらの相手をしてやるんだよ。」
「しかしそれではポイズン・デッド様の命が・・・」
ベアは心配するが、
「この最強の実力を持つ俺にかかれば怖いものなんてないさ。さ、お前らは下がった下がった。」
ポイズン・デッドは幹部達を引き下げようとする。

「くっ・・・」
シャークとタイガーは納得がいかない様子。
「ポイズン・デッド様の命令だ。今は大人しく引き下がろう。」
ベアの言葉に渋々従い、引き下がった。

「ついに最期の時が来たなパラレルヒーローズ。ここまで来た以上最高の最期にしてやろう。」
ポイズン・デッドは宣言する。

「壊滅を迎えるのはお前たちの方だ!」
「そうよ!笑っていられるのも今のうちよ!」

そして遂にポイズン・デッドとの最終決戦が幕開けしたのであった。

三人は駆け出すとホワイトはパンチを、ピンクとイエローはそれぞれキックを喰らわせる。
「はあっ!」

ドゴオォッ

しかしポイズン・デッドは余裕の笑みを浮かべた。

「フッ・・・」
ポイズン・デッドはほくそ笑むと三人を勢いよく蹴り飛ばした。

ドッ

「うあああああっ!!」
「キャアアアアアッ!!」
三人は後ろに飛ばされた。

「なんて強さなんだ。」
「さすがポイズンの親玉ね。」
三人は焦る。

「あれ〜もう終わり?まだ本気出してないよ〜。なんか退屈だなあ。」
ポイズン・デッドは挑発を仕掛ける。

「こっちだってまだ本気出してないんだぞ!」
ホワイトは言う。

三人は再び立ち上がって・・・
「パラレルッアルティメットエクスプロージョン!!」
一斉に必殺技を繰り出す。

「無駄だ。」
ポイズン・デッドはそう言うとマントでガードした。威力はマントに吸収され、全く歯が立たない。

「うそ・・・」
「俺達の技が効かないなんて・・・」
三人は唖然とする。

「今度はこっちのお返しだ!」
ポイズン・デッドがそう言うと突然爪が鋭く伸びる。

そして鋭く伸びた爪を振りかざすと三人に命中し、全身から血を流しながら倒れた。

しかしそれでも三人は立ち上がる。
「絶対に・・・負けねえ!」
「負けないわ!」
三人は渾身の力を振り絞って攻撃を仕掛ける。

そして

「パラレルッアルティメットエクスプロージョン!!」
ポイズン・デッドが油断してる隙に必殺技を放つ。

ポイズン・デッドは必殺技を喰らい追い込まれるが、倒れずに持ちこたえると装備している剣を抜いた。
「とうとう本気にさせたな。」
そう言うと剣を振る。すると三人に向かって強風が吹き荒れた。

向かい風は三人の行く手を阻み、ポイズン・デッドに近づけない。
それどころか・・・

「キャアアアアアアアアアアアッ!!」
ピンクとイエローはスカートがめくれ上がってしまい、その場から動けなくなってしまったのだ。

「くそっ、このままじゃ太刀打ちできない。」
ホワイトは焦る。するとホワイトはポイズン・デッドのマントがなびくのを見てあることを思いついた。

「そうだ!」
ピンクとイエローにもこっそり耳打ちする。
「やってみなきゃわからないもんね。」
二人はホワイトの作戦に賛成した。

「ポイズン・デッドよお、俺達の後ろに面白いものがあるからこっち回ってくれねえか?」
ポイズン・デッドは言われるがまま従った。

「そうしたら目を閉じて振り返ってみて。」
イエローに言われ、目を閉じながら振り返った。するとポイズン・デッドのマントが後ろに持ってかれるような形になり・・・

「パラレルッアルティメットエクスプロージョントリプル!!」
三人の合体技をモロに喰らい、その場に倒れた。そして強風も消えた。

「やったか?」
ホワイトは安堵の表情を浮かべた。しかし

「まだ油断は出来ないわ。」
ピンクとイエローは警戒する。

するとポイズン・デッドはゆっくり起き上がるとこう叫んだ。
「皆殺しだあああああああああああっ!!!!!!!!!」
ポイズン・デッドは怒りを顕にしながら剣を振る。すると剣から黒いビームが放たれた。

三人は必死に避ける。

そしてポイズン・デッドは剣を振り終えるとこう言った。
「フハハハハハ!強い者が支配し、弱い者は滅びる。そして世界は破滅するんだあああああっ!!」
ポイズン・デッドの言葉に三人は目を丸くした。

「ちょっと、何のこと言ってるの?」
ピンクは言う。

「何って、世の中が憎いんだよ!」
ポイズン・デッドは怒りを顕にして言った。

「なんでそんなに憎むの?」
ピンクは言う。

「俺の生まれ育った世界は昔から弱肉強食主義が強く、生活環境に恵まれた奴程社会で優遇される。逆に生活環境に恵まれない奴は社会で酷い冷遇を受け、中には格差社会に耐えられずに自殺する奴もいる。前者か後者どっちかって?俺は後者だ。俺は昔から貧乏ゆえに社会で冷遇され続けていた。だからこそ国を見返してやろうとポイズンを立ち上げたんだ。シャーク・タイガー・ベアの三人も俺と同じ境遇の奴だ。」
ポイズン・デッドは過去を話した。

「だからって何でパラレルワールドの世界も巻き込む必要があるんだよ。」
ホワイトは指摘する。

するとポイズン・デッドは怒りを顕にした。
「格差のない世界が許せなかったんだ。俺の世界では散々苦しめられてるのに他の世界は・・・だったらいっそのこと・・・くっ・・・全部滅びりゃいいんだよおおおおおおおお!!!!!うああああああああああああああ!!!!!!!!」
ポイズン・デッドは怒りの雄叫びを上げながら剣で斬りかかった。

攻撃を避けながらイエローは言った。
「パラレルワールドが許せないなんてそんなの身勝手すぎるよ。」

「何が身勝手だ!俺の苦しみは他の奴にも味わわせてやるのが俺のやり方だ!!」
ポイズン・デッドはこれでもかと怒りをぶつけた。

そこへピンクとホワイトが口を挟む。
「本当にそれでいいの?」
「パラレルワールドを全て滅ぼしたら居場所がなくなるぞ。やりたい事があっても何もできなくなるじゃないか。」

「やかましい!全部潰して自分だけの理想郷を作り上げてやるんだ!!」
ポイズン・デッドはそう言うと剣ともう片方の手から破壊光線を出した。

「危ないっ」
三人は間一髪で避けた。攻撃を避けながら三人は言う。
「自分だけの世界を作っても仲間がいないのは虚しいだろ。」
「そうよ。一人よりも同じ仲間がいる方が何倍も楽しいはずよ。」
「あたしも一人で活動してた時よりも三人で活動してる時の方が余程楽しく賑やかで良かったと思うの。」

しかしポイズン・デッドには三人の言葉は何一つ届かなかった。そして

「これでトドメだああああああっ!!!!!」
ポイズン・デッドは爪で三人を串刺しにしたのだった。

「うああああああああああああ!!!!!」
三人はもがき苦しむ。そして

「であ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!!!!!!!!」
ポイズン・デッドは串刺しにした三人を地面に叩きつけたのだった。

地面に叩きつけられた三人はその場に倒れていた。倒れた三人にポイズン・デッドが近づく。
「あーあ、遂に力尽きたか。」
ポイズン・デッドは三人を見て呟いた。

「もう死んだし後始末しておくか。」
そう言いながら手を伸ばそうとした時だった。

「まだ・・・終わって・・・ないわよ・・・」
ピンクが僅かな気力を振り絞りながら言った。

「そうだ・・・まだ終わって・・・なんか・・・いない・・・」
「ここで・・・終わっ・・・たら・・・世界は・・・終わり・・・よ・・・」
ホワイトとイエローも続いた。

三人の言葉にポイズン・デッドは呆れる。
「もう動くことすらままならねえのにいきがるねえ。もういい加減諦めたら?」
ポイズン・デッドは三人に問いかける。

「何で・・・諦めなきゃ・・・なら・・・ねえんだ」
ホワイトは反論する。

「だってもう戦えねえだろ?戦えねえのに歯向かうなんて無駄だ無駄。」
ポイズン・デッドはあざ笑う。そこへピンクとイエローが口を挟んだ。

「確かに・・・今の・・・私たちは・・・戦えないかもしれない。」
「でも・・・諦めない心と努力があれば・・・怖いものなんてないわ。」

諦めない心意気にポイズン・デッドは思わず言葉を失う。

そしてこう切り返した。
「何故諦めずに戦える?何故絶望せずに戦える?」

ポイズン・デッドの質問に三人は答えた。
「誰かを、そして街の平和を守りたい、そういう心意気があるからだ。」
「何も守れずに絶望なんてしたらみんな絶望するでしょ?」
「あたしにも、ポイズン・デッドにも、誰にだって大切な存在があるでしょ?その大切なものを何一つ守れなかったらヒーローとしてダメじゃない。」

「そう、俺達は」
「ポイズンの野望を止めるためにね。」
三人は宣言すると再び立ち上がった。

そして

「スーパーチェンジ!」
三人はそう言うとスマホに書かれたスーパーの文字をなぞる。

するとコスチュームと同色のマントと剣が現れたのだ。

突然の変化に驚くポイズン・デッド。

「ホワイトとイエローのも改造したついでに強化フォームの機能も追加しておいたのよ。」
ピンクは言う。

実はあの一件の後エレナとマリナはパラレルワールドの自宅に雷慈を連れて行き、雷慈のスマホも改造してもらっていたのだ。それと同時にどんな強い敵にも対抗できるよう強化フォームへの変身機能も改造で追加したというのだ。

「まあいい、そうこなきゃ面白くねえからな。」
ポイズン・デッドはそう言うと剣で斬りかかった。

負けじと三人も剣で防御し、斬りかかる。

「はぁっ!」

ドドオオオオオン

するとポイズン・デッドを圧倒し、ポイズン・デッドは次第に圧されていく。
(すっ凄い威力。さっきまでとは桁違いの勢いだ。)
ホワイトはそう思った。

「後ろもらったあああああ!!!!!」
ポイズン・デッドが背後から斬りかかる。

「邪魔はさせないよ!」
イエローが助太刀に入った。

ポイズン・デッドは抵抗を続けるが、三人に圧倒され、次第に追い詰められていく。
「そんな馬鹿な・・・この俺が簡単にやられるなんて。」
ポイズン・デッドは焦り出していた。

そして

「パラレルッアルティメットソード!!」
ホワイトからは白の、ピンクからは桃色の、イエローからは黄色の光線がそれぞれの剣から発し、一つに纏まるとポイズン・デッド目掛けて進んでいく。

「はああああああああっ!!!!!!!」
ポイズン・デッドは必死に剣でかき消そうとするが、全く消えずに光に飲み込まれていった。

ドドーン!!

大爆発が起こり、遂にポイズン・デッドは戦闘不能になった。

ポイズン・デッドが倒されたことに驚きを隠せない幹部達。
「んなバカな・・・あのポイズン・デッド様がやられるなんて・・・」
ベアは嘆いた。

すると幹部達は立ち上がってこう言った。
「よくもポイズン・デッド様をボロボロにしてくれたな!俺達が親分の敵を討ってやる!!」
幹部達は戦意を見せる。すると

「もういい、やめとけ。」
ポイズン・デッドは幹部達を阻止する。

「なぜ止めるのですか?」
幹部達は不満を見せる。

「今ので分かっただろ?この俺でさえパラレルヒーローズを倒せなかったんだ。お前らが戦ってもどの道倒されるだけだからな。それに・・・時には諦めることも大事だ。」
ポイズン・デッドの言葉に幹部達は納得した。

更にポイズン・デッドは幹部達にこう告げた。
「シャーク、タイガー、ベア、我々ポイズンはこれを期に解散する。」

突然の解散宣言に幹部達は困惑する。
「何故なんですか?」
「私達はこれからバラバラになるの?」
「そんなのあんまりだ。」
幹部達はポイズン・デッドに詰め寄った。

「さっき敗北して気がついたんだ。ワルに手を染めても何もいいことは無いと。それにこんなことやってたらなんか自分がバカらしくなってきたんだよ。あと、ポイズンは解散してもこれから一緒に人生やり直すからバラバラになんかならねえよ。」
幹部達はポイズン・デッドの言葉を受け入れた。

「そうだ、お前らに渡したい物がある。」
ポイズン・デッドはそう言うと三人にある物を渡した。

「これは鍵?」
「奥にある扉に差し込むと開くぞ。その中には特殊な催眠を発生させる装置があるからそれを止めて来い。」

三人は鍵を差し込んで扉を開けると奥の部屋に入っていった。

中には様々な機械が並んでいる。三人はしらみつぶしに探した。するとピンクが何かに気付く。

「もしかしてコレじゃない?」
二人も見てみるとそこには催眠術発生装置と書かれたスイッチがあり、スイッチにはランプが点灯している。

「これでやっと元に戻れるな。」
ホワイトはそう言うとスイッチを押し、催眠術は止まった。

そして

「やっと帰れるわね。」
イエローが言うと三人は飛行船に戻り、自宅近くの広場に戻っていった。

飛行船を降りて変身を解くと雷慈はこう呟いた。
「何だか懐かしい気がするなあ。」

「でも不思議よね。今日一日の間の出来事なのに。」
エレナは言う。

「でも怪我人の治療が終わって復興するのはもう少しかかりそうね。」
マリナに言われて二人はハッとしたのだった。

それからしばらくして雷慈達は学業に励んだり、部活に勤しんだり、休日はごろ寝したりレジャーを楽しんだりといつもと変わらぬ日常生活を送っていた。

そんなある日の休日、三人は外を歩いているとエレナが何かを見つける。
「あそこにカフェがあるから入ってみようよ。」
三人はカフェに入った。すると

「いらっしゃい!」
三人を出迎えたのは元ポイズン・デッドの店長だった。更に・・・

「久しぶりだね。」
奥からは店員となった三人が出て来た。

実はポイズン・デッドと幹部達はポイズンの看板を畳んだ後雷慈達の世界でカフェを経営していたのだ。久々の再会に一同は歓喜に沸いた。

窓際の席に座った三人は外を見てこう言った。
「街は平和だな。」
「そうね。」

侵略編

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